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介護支援ブログ

介護制度について分かりやすく解説しています。介護に関っている全ての方々に役立つ総合介護情報サイト目指しています。現在は主に介護職員処遇改善加算、キャリアパス要件、介護保険施設等の実地指導について執筆中です。

個別機能訓練加算の単位数とは?単位算定のための必須情報

個別機能訓練加算

介護サービスを提供する事業者にとって、加算を取得することは、経営を安定させ、良い人材を雇用するために大切なことです。

「そうは言っても人員配置が整えられるか心配」「手続きが煩わしいのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

介護事業所の皆様や、これから介護業界に参入予定の方のために、個別機能訓練加算の単位数や算定条件など、必要な情報をまとめましたので、ぜひこの記事をご覧ください。

 

 

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個別機能訓練加算の単位数

個別機能訓練加算の概要

まず、個別機能訓練加算について簡単に解説します。

対象となる主なサービスは、通所介護や通所リハ、ショートステイ、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅になります。

あくまでも、在宅生活における自立支援 定されます。

 

個別機能訓練加算(Ⅰは、厚生労働省のサイトで以下のように説明されています。

 

“個別機能訓練加算(Ⅰ)は、常勤専従の機能訓練指導員を配置し、利用者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう複数メニューから選択できるプログラムの実施が求められ、座る・立つ・歩く等ができるようになるといった身体機能の向上を目指すことを中心に行われるものである。”

[出典:厚生労働省 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

 

つまり、ADL(Activities of Daily Living=日常生活動作)にあたる、食事や移動、排せつといった、日々生活していく上で最低限必要な基本的な行動が、自宅でできるようになることを目的とした訓練になります。

算定されれば、1日当たり46単位が加算されます。2015年(平成27年)の改正により増額されました。

 

個別機能訓練加算(Ⅱでは、

“身体機能の向上を目的として実施するのではなく、①体の働きや精神の働きである「心身機能」、②ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」、 ③家庭や社会生活で役割を果たすことである「参加」といった生活機能の維持・向上を図るために、機能訓練指導員が訓練を利用者に対して直接実施するものである。”

[出典:厚生労働省 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

 

こちらはADLより複雑な動作が組み合わさった、高次の生活機能を評価するIADL(Instrumental Activities of Daily Living=手段的日常生活動作)を維持すること、または新たにできるようになることを目的としています。

具体的な例として「自分で電話をかけて美容院の予約をとる」「予約の日時にタクシーに乗って美容院に出かけられる」「かつて趣味として行っていたように、友人や家族へ宛てて絵手紙を描く」などです。

さらに以下のように説明が続きます。

 

“生活機能の維持・向上のための訓練を効果的に実施するためには、実践的な訓練を反復して行うことが中心となるため、身体機能を向上とすることを目的とした機能訓練とは異なるものである。実際の生活上の様々な行為を構成する実際的な行動そのものや、それを模した行動を反復して行うことにより、段階的に目標の行動ができるようになることを目指すことになることから、事業所内であれば実践的訓練に必要な浴室設備、調理設備・備品等を備えるなど、事業所内外の実地的な環境下で訓練を行うことが望ましい。” 

[出典:厚生労働省 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

 

少し難しく書いてあるので、具体的な例を挙げて説明します。

 

個別機能訓練(Ⅰ)の目標を「ベッドに居座った状態から歩行器につかまって立ち上がる」「寝室から風呂場まで歩く」に設定すると、これら1つずつの動作に対する可動域や筋力のための訓練を行います。

(Ⅱ)における目標は「寝室から風呂場まで安定して歩行し、自分で入浴し洗髪できる」になります。

 

段階的にこれらの訓練を行うには、石鹸やシャンプーの泡で滑らないように、しっかり濯ぐことを意識付けるよう繰り返しアドバイスしたり、実際に浴槽をまたぐ訓練をするので、浴槽が必要になります。

逆に言えば、浴室設備がないデイサービスでは入浴や洗髪の反復訓練が行えないので、目標として設定できません。

 

ショートステイにおける機能訓練加算は、デイサービスなどの通所介護における個別機能訓練加算(Ⅱ)と同じ趣旨になるので、算定要件や目標設定、プログラムの内容などはこれにならっています。

算定されれば、1日あたり56単位が加算されます。

 

 

単位の算定方法とは?

単位を取得するまでの流れを解説します。

 

・まずは算定要件を満たすことについて。

個別機能訓練の加算を申請するには、まず人員配置基準を満たし、利用者宅への居宅訪問を行って、個別機能訓練計画書を作成します。

 

“個別機能訓練は、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師。)、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職の者(以下「機能訓練指導員等」という。)が共同して、利用者ごとにその目標、実施時間、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し行うものである。” 

[出典:厚生労働省 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

 

上に挙げてある国家資格を持ったスタッフを配置して、利用者のニーズや状態に合わせた個別の計画を作ることになります。

 

その際、忘れてはならないのが居宅訪問です。

自宅でできるだけ自立した生活を維持できるようにするための訓練なので、実際の住居を訪問し、利用者本人や家族のニーズ、自宅における問題点を探ります。

本人の希望が「寝室から風呂場まで安定して歩行し、自分で入浴して洗髪ができようになる」であるとするならば、その障害となっていることは何かを確認します。

例えば「家具の配置によって狭くて歩行器で脱衣所に入れない」あるいは「浴槽の縁が高くてまたげない」などです。

 

この居宅訪問の際に利用されるのが興味・関心チェックシート居宅訪問チェックシートです。

これらのチェックシートを用いて、利用者の短期目標、長期目標を設定し、それに合わせた訓練のプログラムを決めていきます。

ケアマネージャーや主治医と連絡を取ることで、更に情報を得ることができます。

個別機能訓練計画書が作成されれば、利用者本人、場合によっては家族にもその内容を詳しく説明し、同意と捺印を得ます。

その際、なぜその目標を設定したのか、訓練プログラムによってどのような効果が得られるのかについても説明すると、利用者の訓練に対する意欲を高めることにもつながります。

 

算定要件を満たした上で指定権者に申請します。

都道府県や市町村の担当課に必要書類を整えて申請します。

自治体によって提出期限や担当課が異なるので、前もって確認し、早めに届出の準備を始めておきます。

 

・加算算定後に行うこと

個別機能訓練加算が算定されれば、それで終わりというわけではありません。

少なくとも3カ月に1度は利用者の居宅を訪問して、機能訓練の内容や目標をどの程度達成できているかを説明し、モニタリングを行います。

これに伴って、個別機能訓練計画の見直しも最低3カ月に1度行うことになります。

 

 

単位算定の際の注意事項

算定の際にはいくつか注意しなければならないことがあります。

 

・要件を満たすだけでは、加算額は取得できないこと。

個別機能訓練加算において、利用者への説明及び同意がとても重要になります。

捺印をもらった個別機能訓練計画書は監査の時に必要になるので、モニタリングを行い、訓練計画を変更する度にファイルにまとめて保管します。

 

・個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)は同時算定が可能であること

“個別機能訓練加算(Ⅰ)については、身体機能の向上を目指すことを中心として行われるものであるが、個別機能訓練加算(Ⅰ)のみを算定する場合であっても、並行して生活機能の向上を目的とした訓練を実施することを妨げるものではない。なお、個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)をそれぞれ算定する場合は、それぞれの加算の目的・趣旨が異なることから、別々の目標を明確に立てて訓練を実施する必要がある。” 

[出典:厚生労働省 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

 

つまり、個別機能訓練(Ⅰ)と(Ⅱ)は、同時に加算することが可能です。

しかし気を付けなければならないのは、(Ⅰ)はADLの維持・向上、(Ⅱ)はIADLの維持・向上と、それぞれ目的が異なっています。

そのため、個別機能訓練計画書を作成する際には、目標設定や訓練プログラムの内容について、その点を意識する必要があります。

同時に算定できれば1日あたり102単位の加算になります。

 

 

まとめ

理学療法士などの国家資格を持つスタッフを雇用し、忙しい中でも訓練計画を評価・見直ししなければならず、事業所の方は大変だと思います。

しかし、取得した加算(46、56、102単位)が、機能訓練を必要とする利用者やスタッフに還元されると考えれば、加算申請をする意義が十分にあるのではないでしょうか。