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介護支援ブログ

介護制度について分かりやすく解説しています。介護に関っている全ての方々に役立つ総合介護情報サイト目指しています。現在は主に介護職員処遇改善加算、キャリアパス要件、介護保険施設等の実地指導について執筆中です。

個別機能訓練加算とは 平成27年度改正事項まで徹底解説!

個別機能訓練加算

 

介護事業者の皆様、ご自身の介護事業所では個別機能訓練加算を算定されているでしょうか。

平成27年度の介護報酬改定や総合事業などの近年の介護の在り方にて、度々ピックアップされているこの加算ですが、厚生労働省が発令している公式文書は非常に難しく、読むだけで疲れてしまう、全部は理解できていない、そんな状況の方も多いのではないかと思います。

今回は、そんな個別機能訓練加算について、わかりやすくまとめてみました。この加算を算定しようとしている介護事業者の方はもちろん、既に算定されていて見直しがしたい方、これから介護事業に参入しようとしている方はぜひご覧ください。

 

 

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個別機能訓練加算とは?

要介護状態の悪化予防のため住み慣れた地域での在宅生活をできるだけ維持し安全に継続することを目的としています。介護サービスの通所介護費・短期入所生活介護費・特定施設入居者生活介護費における算定です。

要するに、デイケア・デイサービス・ショートステイ・有料老人ホームなどの施設内でリハビリを行い人員配置や要件をクリアすれば毎日ごとに加算がもらえます。この加算にはⅠとⅡがありますが共通して言えることは、機能訓練指導員等がその利用者の身体機能・生活機能の維持向上を目的とし、訓練していきます。

目的を達成するために、問題点把握・計画書作成・実施後の記録・モニタリングを行わなければいけません。その事業所の機能訓練指導員やその他の職種ともにカンファレンスも必要です。全員で情報共有しなければ、よい訓練はできないでしょう。

 

平成27年度の介護報酬改定で変わったこと

こちらでは、平成27年度に実施された改正での変化事項についてまとめました。

 

表1

平成27年まで

平成27年以後

個別機能訓練加算Ⅰ  42単位

個別機能訓練加算Ⅱ  50単位

個別機能訓練加算Ⅰ  46単位

個別機能訓練加算Ⅱ  56単位

新たに人員配置・実施者・訓練内容・ⅠとⅡの目標の違いなどが設定

※表2を参照

個別機能訓練を行う場合は、開始時とその後3か月に1回以上利用者または家族に内容を説明し記録する。その際、目標の見直しや訓練内容の評価や変更するなど適切な対応をとる。

個別機能訓練を行う場合は機能訓練指導員等が居宅を訪問し生活状況を確認したうえで計画書を作成。見直しは3か月に1回以上居宅を訪問し評価・進歩状況を説明する。

同一日であってもⅠとⅡを訓練していれば同時算定できる。この場合Ⅰの常勤専従の機能訓練指導員とは別にⅡに携わる機能訓練指導員の配置が必要。

左記内容に加え、Ⅰは身体機能への働きかけによるものだがⅡは心身機能とADL・IADL活動、社会参加に働きかけるものである。それに基づき適切な訓練を行う。

 

上記のように、同時に算定できれば1日に102単位と大きな加算です。

 

個別機能訓練加算ⅠとⅡの共通点と必要なこと

提出までの流れ  

加算の届出の前に利用者本人またはその家族へ加算の説明、理解を得ることが必要です。毎月の利用料が増えるので書面にて具体的にいくら値上げされるか、どの様な訓練が受けられるのかなど口頭で説明、同意を得ましょう。書面には必ず利用者または家族の署名・捺印が必要です(重要事項説明書に記載がある場合は必要ありません)。

さらに、個別機能訓練計画書を交付します。

そして、担当ケアマネへの早めの通知も忘れずに。サービス計画書へ反映されるので担当者会議が必要になると思います。招集するのはケアマネなので確認します。

算定したい月の2.3ヶ月前から準備しましょう。通知が遅くなるとケアマネと利用者へ迷惑をかけてしまいます。

 

記録方法

実施するに当たり興味関心チェックシート・居宅訪問チェックシート・個別機能訓練計画書・実施記録が必要です。個別機能訓練を開始するに当たり利用者の生活の問題点やその人を知ることが必須になります。

 

興味関心チェックシート

普段忙しくて中々聞き取れない情報が収集できます。その人の好みや性格、趣味、人生観などを新たに知り、訓練内容にうまく活用していきましょう。例えば我慢強い人であるならば、無理をしないように訓練中にこまめに声掛けしていくことが必要です。

 

居宅訪問チェックシート

利用者の居宅を訪問し、IADLや生活動作に関して困っていること、問題点など新たに知ることができます。トイレや浴室などの整備・環境もチェックし訓練内容に取り入れます。玄関先などではなく必ず中まで入りましょう。口頭で聞いていた環境と全く違っており、すぐに環境の改善が必要になることもしばしばあります。

 

個別機能訓練計画書

機能訓練指導員が訓練の長期短期目標・実施時間・プログラム内容など記載した計画書を作成します。通所介護計画書の中に個別機能訓練内容を組み込んで1枚にしても厳密には良いのですが、作り直す期間が違いますので更新時期がずれてややこしくなってしまいます。実地指導や監査の時にも混乱する原因になりかねないので別々の様式を使用することが望ましいです。

必ず利用者または家族の署名とケアマネへの送付が必要です。

 

実施記録

個別機能訓練計画書に沿った内容の訓練を実施した記録は必ず毎回残しておきましょう。

実施時間・訓練内容・担当者名・利用者の心身の状態など記入します。記録用紙は利用者ごとにまとめ、機能訓練指導員等がいつでも閲覧し情報共有できるようにする必要があります。

 

計画、評価の実施期間

3か月に1以上計画の見直しと評価を行い記録する。3か月ごとに計画書を作り直し利用者への説明・署名をもらう。

見直しの際には3か月に1回は機能訓練指導員等が居宅を訪問し再アセスメントしなければいけません。訪問とはデイサービスの送りを兼ねても可です。こちらを見落とす事業所が多いようです。

 

個別機能訓練加算ⅠとⅡの違い

個別機能訓練加算ⅠとⅡでは機能訓練指導員の配置や、リハビリの目的、訓練内容、規模などが変わってきます。ちなみにここで言う機能訓練指導員とは身体の機能について深い知識のある者を指します。具体的には、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護師・柔道整復師・あんまマッサージ指圧師のいずれかの資格がある職員です。

そして、看護師が機能訓練指導員として配置した場合の看護業務は同時にはできないので別の看護師を配置しなくてはいけません。また、機能訓練指導員と記載されている場合は介護福祉士・介護士・生活相談員でも可です。

 

細かな違いについて、以下にまとめましたのでご参照ください。

 

表2

 

個別機能訓練加算Ⅰ

個別機能訓練加算Ⅱ

目的・目標

座る・立つ・歩くなど

身体機能の維持向上

例:全体体操で座位・立位のプログラムを組み実施する

1人で靴が履ける、独歩で5メートル歩くなど

①身体機能のみならず精神の働きも含む心身機能の維持向上

例:他者との交流、家族へ電話する

②ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般の活動

例:料理する、買い物へ行く

③家庭や社会生活にて役割を果たす「参加」など生活機能の維持向上

例:囲碁サークルへ参加

実施者

機能訓練指導員等

機能訓練指導員が直接実施

単位数

1日46単位

1日56単位

人員配置

常勤の理学療法士等1名が機能訓練指導員のみに従事し提供時間内終日の配置。

→非常勤の理学療法士等が配置されていても常勤が欠勤・遅刻・早退した曜日は算定不可

機能訓練の実施時間内に勤務し機能訓練指導員のみに従事する職員が1名必要。

→実施時間内に勤務していれば遅刻・早退しても算定可能

非常勤の職員でも良い

訓練内容

 

筋力の維持向上や可動域を広げるなど日常生活がより充実するように複数の機能訓練項目を準備。

ADLのみならずIADLも考慮し可能な限り自立していけるよう生活機能の維持向上に関する段階的な目標を設定。例えば一人で入浴したいのであれば3か月間で達成できるよう実践的な訓練を繰り返し行う。

実施範囲

具体的人数の特記なし

グループに分かれて実施

個別対応もしくは5名程度以下

実施環境

特記なし

施設内では畳のある居室・浴室・調理場など目標に沿った環境

 

見てわかるとおりⅠよりもⅡの方がより難易度が高くなっています。

人員配置などⅠの方が条件厳しいのに、Ⅱの単位数のほうがなぜか高いのです。

これは、Ⅱの方がより実践的でコアな内容であるからと考えられます。

表にあるIADLとは手段的日常動作のことです。例えば料理をする、家族にメールする、交通機関を使って買い物に行くなどです。

 

届出申請の手順

  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(加算届)
  • 従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
  • 機能訓練指導員の資格証を適用月の前月15日までに関係機関(都道府県・市区町村など)に郵送にて提出

 

提出期限や届出方法は(窓口や郵送など)関係機関により異なるため問い合わせておきましょう。

 

よくあるQ&A

Q1:個別機能訓練加算Ⅰの算定要件である常勤専従の機能訓練指導員として、病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携による看護職員を1名以上あてることで加算はとれますか?

A:とれません。機能訓練指導員とは理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・准看護師・柔道整復師・あんまマッサージ指圧師のいずれかの資格がある職員のことを指します。看護職員ということは良いのですが常勤専従でなければいけません。常勤専従とは提供時間内、終日配置するということです。

 

Q2:通所介護の個別機能訓練加算要件について、利用者の居宅を訪問し利用者の在宅生活の状況を確認した上で、計画を作成し機能訓練を実施するとありますが、利用者の中には自宅に人を入れることを極端に拒否する場合もあります。入れてもらえたとしても、玄関先のみであったり、集合住宅の共用部分のみであったりします。

このような場合に、個別機能訓練加算を取るためにはどうしたら良いですか?

A:居宅を訪問する目的は、利用者の生活状況を確認し問題点を把握するためです。問題点を把握しないとより良い訓練に結びつきません。ご本人に問題を解決したい、在宅生活を長く続けたいという気持ちがあるなら趣旨をしっかりと説明し、必要性を理解していただきましょう。また、よく知らない人を自分の家に上げることは誰でも抵抗があります。日ごろからコミュニケーションを図り信頼関係を築きましょう。

 

Q3:利用契約はありませんが、利用見込みがある方についての質問です。利用契約前に居宅訪問を行い利用者の在宅生活の状況確認の後、利用契約に至った場合、個別機能訓練加算の算定要件を満たすことになりますか。

A:なります。契約前でも訪問しているので可です。

 

Q4:個別機能訓練加算Ⅰと個別機能訓練加算Ⅱを同時算定する場合、1回の居宅訪問でⅠとⅡの要件も満たすことになりますか。

A:両加算の目的と趣旨の違いを理解したうえで1回の居宅訪問で大丈夫です。別々に行く必要はありません。

 

Q6:居宅を訪問するのは、利用者宅へ送迎をした後そのまま職員が残り生活状況を

確認することでも算定されますか?

A:家の中まで入れば可です。機能訓練指導員等なので介護職員でも大丈夫です。

 

Q6:個別機能訓練計画の作成及び居宅での生活状況の確認について、「その他の職種の

者」は、機能訓練指導員、看護職員、介護職員又は生活相談員以外に、どのような職種

ですか?また、個別機能訓練計画作成者と居宅の訪問者は同一人物でなく毎回変わってしまってもよいですか?

A:機能訓練指導員以外が行っても差し支えありません。その事業所の職員であれば栄養士・調理士・運転士・看護助手・資格がない介護職員・派遣社員・事務員など。ただし加算の内容を理解した職員でないといけません。3か月に1回以上訪問する人は毎回違う職員でも可です。

 

Q7:利用者の居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画の作成・見直しをすることが加

算の要件にあります。通所介護事業所における長期の宿泊サービスの利用者は、訪問

すべき居宅に利用者がないので居宅を訪問できません。このような場合は、加算を

算定できないのでしょうか?

A:算定できません。利用者の居宅での生活課題を把握したうえで在宅生活の継続支援を

評価するためのものです。宿泊サービスは在宅生活ではないためです。

 

Q8:常勤専従の機能訓練指導員が人員基準上、必要な配置時間に居宅を訪問して良いですか?

A:可です。常勤専従の機能訓練指導員は提供時間内の配置が必要ですが、居宅を訪問している時間も含めることができます。ただし、個別機能訓練プログラムに支障がない範囲内で行います。したがって、デイ終了後1番最後に送った際に訪問することが合理的に思います。

ちなみに、生活相談員は事業所以外にも地域生活を支えるための活動が認められているので堂々と勤務時間内に訪問しても差し支えありません。

 

 

まとめ

日本では日々高齢化が進んでおり、要介護度の悪化が懸念されています。国の財政も厳しくなり平成30年には要支援という枠組みがなくなり要支援者の通所サービス・訪問による生活支援サービスは地域支援事業へ移行していくことが考えられています。いかに悪化を予防し在宅生活を1日も長く維持することが重要になってきたといえるでしょう。

また、事業所も算定要件を満たした訓練をしているにも関わらず算定の申請・届出をしていなかったりする場合があります。せっかく加算が取れるのに、時間がないなどの理由でもったいないことになっています。

個別機能訓練はその利用者が在宅生活を問題なく続け、その人らしい人生が送れるよう支援を目的とした訓練です。

普段の訓練を機能訓練指導員に任せっきりにするのではなく、事業所の職員全員が積極的に制度を勉強し意見を出し合うことで、訓練の質も向上していくのではないかと思います。

今回の記事では、個別機能訓練加算を分かりやすく整理していますがあくまでも参考です。法改定などで変わることもありますので、関係機関に尋ねるなど情報収集されて下さい。

 

個別機能訓練加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

参考文献

通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する 事務処理手順例及び様式例の提示について

 

介護給付費算定に係る体制等に関する届出書(Excelファイル)

 

中重度者ケア体制加算に関する届出書(Excelファイル)

 

 

総合事業以後の事業所評価加算の届出方法について 適切に移行ができるような情報を紹介します!

事業所評価加算

今回は総合事業移行以後に事業所評価加算がどのように変化するのか、わかりやすく解説したいと思います。総合事業に戸惑っている介護事業者の方や事業所評価加算を取得したい方はぜひご覧ください。

 

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事業所評価加算とは

事業所評価加算とは介護予防通所介護、介護予防通所リハビリの事業所において1か月ごとに算定できる加算です。

予防(要支援)の利用者限定で毎年11日から1231(以後、評価対象期間)までに、事業所がサービスを実施することにより要支援者が悪化せず維持向上できていれば、翌年から1か月に120単位を算定することができます。

目的としては、要支援の利用者にあまり関わらないことで機能が低下し、要介護状態になってしまうことを防ぐためのものです。

 

サービスとは選択的サービスのことを指します。具体的には、運動器機能向上サービス・栄養改善サービスまたは口腔機能向上サービスのことです。

これらがどのようなサービスなのか簡単にまとめました。

※個別機能訓練加算とは異なります

 

選択的サービスとは

運動器機能向上サービス(運動器機能向上加算  月225単位)

① 医療従事者が実施することによるリスクの評価、利用者のニーズ、体力測定、運動器の状態を始める前に把握しておく。

理学療法士等を1名以上配置して実施。実施内容で問題点があれば直ちに変更する

② 理学療法士等(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あんまマッサージ指圧師)が利用者のニーズが達成できるような長期目標・短期目標を設定する。その際、介護予防サービス計画書と照らし合わせること。

③ 目標を踏まえて理学療法士等・介護職員・その他の職種のもので協力し計画書を作成、利用者にわかりやすく説明し同意を得る。

計画書には運動の種類・実施時間・実施頻度・実施期間等記入

④ リハビリの職員に確認しながら適切なサービスを提供・記録。

⑤ 1ヶ月ごとにモニタリング・計画書の修正。

⑥ 期間終了時には達成度・機能の状況について事後アセスメントを行う。

 

栄養改善サービス (栄養改善加算  1150単位 月に2回限度)

利用者が「食べること」について正しく理解し低栄養状態を予防すること

① 介護予防計画書と本人のニーズや目標を踏まえたうえで管理栄養士・理学療法士等・介護職員・その他の職種の者が栄養ケア計画を立てる。摂食・嚥下機能や食事の形態にも気を付ける。

② 利用開始時に栄養状態を把握する。

③ 定期的にサービス実施の評価・記録をする。実施内容で問題点があれば直ちに変更する

④ 以下のいずれかに該当する利用者であること

  • 低栄養状態にある、そのおそれがあると認められた利用者
  • 半年間で3パーセントの体重減少があった利用者
  • 食事摂取量が不良の利用者(75%以下)
  • 血清アルブミン値が3.5g/dl以下の利用者
  • BMIが18.5未満の利用者

⑤ 管理栄養士を1名以上配置する

 

口腔機能向上サービス (口腔機能向上加算 1150単位 月に2回限度) 

① 口腔衛生上、摂食状況などに問題がある利用者(口腔機能が低下)、または基準を満たしサービスが必要と認められたもの

② 言語聴覚士・歯科衛生士・看護職員のいずれか1名配置し実施

実施内容で問題点があれば直ちに変更する

③ 言語聴覚士・歯科衛生士・看護職員・介護職員・その他の職種で計画書を作成し定期的に評価する

④ 摂食嚥下訓練・口腔内トレーニング・歯ブラシの介助や指導などを行い記録する。

 

3つの運動器機能向上サービス・栄養改善サービス・口腔機能向上サービス、その他にも加算要件ありますのでこれに限りません。あくまで簡単にまとめたものです。

 

総合事業以後の事業所評価加算の変化

総合事業ってどのようなもの?

総合事業とは介護予防・日常生活支援総合事業の略で、サービスが必要な高齢者をこれ以上増やさない、必要な人は公的サービスに頼るのではなく地域が主体となった地域包括ケアシステムへ移行しましょうといった施策です。市区町村が主体となったサービスで、自分にできることは自分で行うということを原則に、総合的なサービスを提供します。

平成27年4月の法改正による条文を噛み砕くと上記のように捉えられるでしょう。総合事業に移行するにあたって新たに総合事業の指定申請が必要となります。

しかし、多くの事業所がすでに予防の利用者を受け入れている状態ですので、現在指定を受けている事業所にのみ猶予期間を施しています。これがみなし指定という追加の手続きなしでサービスが提供できるシステムです。

 

総合事業による事業所評価加算の変化

上記のみなし指定に伴い、総合事業へそのまま移行した通所リハ・通所介護の事業所は、平成26年1月1日~12月31日の期間で算定要件を満たしていれば事業所評価加算の算定可能です。

みなし指定を受けている事業所で平成27年3月以前に都道府県に届出している場合は、追加で市区町村に届出する必要はありません。

 

また算定するにあたって評価基準値というものがあるのですが、その値も変更されることとなりました。

それでは変更された算定要件はどんなものなのでしょうか?

 

総合事業以後の事業所評価加算の算定要件

冒頭に「1年間で要支援者が悪化せず維持向上できていれば」という表現をしましたが、いったい何を基準に?と思われるはずです。

これについては、厚生労働省が示している計算式があり、それを評価基準値と呼びます。

では、評価基準値にも着目しながら、事業所評価加算の算定要件について紹介していきます。

 

1.選択的サービス(運動器機能向上サービス・栄養改善サービスまたは口腔機能向上サービス)の人員基準を満たして提供している

2.評価対象期間内にて通所リハ・通所介護の利用者実人数が10人以上

3.

選択的サービスの実施率が60%以上

評価対象期間内に選択的サービス実施した人数 ÷評価対象期間内に予防通所事業所を利用した人数 ≧0.6

4.

評価基準値が0.7以上であること

{要支援状態区分の維持者数+(改善者数×2)} ÷ {評価対象期間内に運動機能向上サービス、栄養改善サービスまたは口腔機能向上サービスを3か月以上利用しその後更新・認定を受けた人数}≧0.7

4.の改善者数×2は支援でも区分が軽くなった人と要支援状態で無くなった人、つまり自立となった人も含まれます。

その後、更新・認定を受けた人数は事業対象者として継続している人プラス介護予防生活支援事業の対象外となった人も含まれます。

 

総合事業以後の事業所評価加算の届出方法

まず、選択的サービスの加算の届出を行っていることが必要です。

時期:加算を取得したい年の前年度10月15日まで

届出先:各市区町村窓口

書類:①介護給付費算定に係る体制等状況一覧表

   ②介護給付費算定に係る体制等に関する届出書

  • 一度届出を提出し受理されている事業所は翌年からも書類なしで自動的に算定になります
  • 算定を希望しない場合や要件を満たせなくなった場合などは速やかに市区町村へ申し出ましょう。
  • 震災やその他やむをえない事情により、例えば被災地から新規利用者の受け入れを行った場合事業所評価加算の算出にて、その利用者を該当者から外しても構いません

 

まとめ

事業所評価加算のことご理解いただけたでしょうか?

今回は、事業所評価加算をできるだけ分かりやすく整理したつもりですが、あくまでも参考です。法改定などで変わることもありますので関係機関に尋ねるなど情報収集されて下さい。

 

加算を取得するためにはまず、運動器機能向上加算・栄養改善加算・口腔機能向上加算を実施し算定していること。また別にそれぞれ加算要件が異なりますので、合わせて調べましょう。

表に記載した1から4までの基準を満たせていれば、後は行政に届け出るだけです。書類は2枚しかなく、各市区町村のホームページを検索すればエクセルの書式が出てきますので、そちらをダウンロードして使用してください。評価対象期間が1年間と長くありますので早めに準備することをおすすめします。

そして忘れてはならないことは、市区町村から適合の通知が届いたら関係者への連絡をすることです。

皆様の事業所も、もしかしたら加算要件を満たしているかもしれません。もちろん事業所の収支に係るものなので取得するに越したことはないのですが、それだけではなく基準に達したサービスをしていればきちんと評価されなくてはならないでしょう。

日に日に超高齢化社会になり利用者の状況、職員の状況もめまぐるしく変わってきています。より良いサービスが提供できるように加算や法律の意味・趣旨を勉強しもっと理解を深めていけるとよいですね。

 

事業所評価加算について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

小規模多機能の運営基準とは

運営基準

 

今回は小規模多機能型居宅介護の運営基準について、わかりやすくまとめてみました。

厚生労働省の条文では、表記が難しく全て把握していない方も多いのではないかと思います。これから介護事業に参入しようとしている方はもちろん、すでに事業を運営しているけどもう一度確認しておきたい方、実地指導や監査に向けて見直したい方はぜひご覧ください。 

 

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小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護って文字だけ見ると漢字が並んでいてなんだか難しそう・・と思われるかもしれません。簡単に言うと通いを中心に通い+訪問+宿泊の3つのサービスを同じ事業所で行えるというオールマイティーな介護サービスです。

グループホームやショートステイと混同してしまう方が多いですが違います。

小規模多機能型居宅介護はデイサービスを中心に利用しながらご本人の状態が悪くなってきたら宿泊に切り替え、また調子が良くなってきたら訪問介護を入れながら様子を見るなどその方に合ったサービスを提供する地域密着型のサービス業種です。

3つのサービスを1つの事業所が行うことによりその利用者さんの情報共有がしやすくご家族もより信頼して任せられるのではないかと思います。

 

小規模多機能型居宅介護の運営基準と注意事項

小規模多機能型居宅介護の基本方針は、先述した3つのサービスを組み合わせることによって在宅生活において利用者の持っている能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう訓練していくものです。できるだけ長く在宅生活を維持していこうということです。

 

ここでは、小規模多機能型居宅介護の主な運営基準について解説します。

 

把握・連携

  • ケアマネージャーが開催する担当者会議を通じて利用者の心身の状況や家庭環境・生活環境、医療・福祉サービスの利用状況の把握に努める
  • 居宅サービス事業所・その他のサービス事業所・主治医などと密接な連携に努める
  • 小規模多機能型居宅介護の終了時は利用者とその家族に適切な指導を行い、居宅サービス事業所・その他のサービス事業所・主治医に情報を伝達する
  • 職員には身分証を携帯させ初回訪問時や家族などから提示を求められた時に提示するよう指導しておく

 

利用料

  • 事業所はサービスを提供した際利用料の一部として基準額から介護サービス費の額を控除して得た支払いを受ける。
  • 基本料金とは別に以下の費用の支払いを利用者から受けることができる。

 

実施地域外に居住する利用者の送迎費用

実施地域外に居住する利用者の訪問介護の交通費

食事代

厚生労働大臣が定めるもの

宿泊費用

おむつ・パット代

その他利用者負担として適当と認められるもの(洗剤やシャンプーなど)

  • 利用料やサービス内容など予め利用者・その家族に説明しておく。また、理解しやすい丁寧な言葉で伝え、同意を文書により得なければいけない。

 

基本方針

  • 指定を受けた小規模多機能型居宅介護は介護度や利用者の状況が悪化しないよう目標を決め計画的にサービスを行う。事業所は自ら提供する介護の質を各都道府県が定める基準に従い評価する。運営推進会議に報告し常に改善を図っていく。介護予防小規模多機能居宅介護も同様である。
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護において利用者が持っている能力を妨げるようなサービスの提供は行わない。
  • 小規模多機能型居宅介護は地域との交流を図り、身体状況・精神・環境・ニーズを踏まえて通い・宿泊・訪問のサービスを組み合わせ適切に行う。
  • サービス提供に当たり、介護計画に基づき一つの枠にはめ込まず何が必要か考え、その方が日常生活を支障なく送れるような援助を行う。もちろん、一人一人の人格を尊重し役割を持ってもらう。家庭的な環境で過ごせるようにする。
  • 基本的に身体拘束は行わないが利用者の生命や身体保護目的の為やむを得ず行う場合、事業所は家族に説明する。しかし事前に困難な場合はこの限りではない。また、実施した際は時間や様子など細かに記録する。身体拘束の説明が事前に行えなかったときはその後速やかに家族に説明する。
  • 通いサービスの利用者が登録定員の3分の1以下の状態が続いてはならない。
  • 登録者が通いサービスに来ていない日においては、可能な限り訪問や電話などで状況を確認し適切なサービスを行う。1週間のうちに通い・宿泊・訪問合わせて4日以上が目安。

 

利用定員

登録定員

  • 1事業所の登録は29名以下
  • 要介護度の制限はなし
  • 同一内建物または併設の老人ホーム等の入居者は登録することはできない
  • 利用者は1つの小規模多機能型居宅介護の登録のみ可能

通いサービス

登録が25名以下

登録が26か27人

登録が28人

登録が29人

おおむね15名以下

登録の2分の1から15名まで

登録の2分の1から16名まで

登録の2分の1から17名まで

登録の2分の1から18名まで

宿泊サービス

おおむね9名以下 登録者のみ利用可能

通いの利用定員3分の1から9人

訪問サービス

登録者の居宅を訪問する

 

介護予防小規模多機能居宅介護  基準

  • 提供するに当たり主治医・歯科医師からの情報を受け身体・精神・環境などの状況を把握。ケアマネージャーは介護予防計画書を基準に従い作成。作成に当たり他の事業者と情報交換し目標・内容・期間を設定。もちろんニーズも取り入れ随時適切に通い・訪問・宿泊を組み合わせる。
  • 計画に当たり利用者または家族にサービスの内容を丁寧に説明し同意を得る。計画書を交付する。
  • 地域と交流を図りつつ身体・精神・環境などの状況を踏まえ通い・訪問・宿泊サービスを柔軟に取り入れる。一人一人の人格を尊重し役割を持ち家庭的な環境で過ごせるようにする。
  • 通いサービスの利用者が登録定員の3分の1以下の状態が続いてはならない。
  • 登録者が通いサービスに来ていない日においては、可能な限り訪問や電話などで状況を確認し適切なサービスを行う。
  • ケアマネージャーはサービスの開始時から提供期間が終了するまで1回はモニタリングを行い、必要に応じて計画の変更を行う。

 

居宅サービス計画の作成

  • 居宅サービス計画書は小規模多機能型居宅介護事業所のケアマネージャーが作成すること。利用を開始するならば、小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーに変更となる。

 

法定代理受領サービス 報告

  • 毎月市町村に指定居宅サービス等のうち、法定代理受領サービスに関する情報を記載した文書を提出

 

書類の交付

  • 登録者がほかの小規模多機能型居宅介護事業所を希望する場合、その他登録者から希望があった際には、登録利用者にサービス計画や実施に関する書類を交付する
  • 管理者は事業所のケアマネージャーに担当させる。
  • 地域との交流参加など多様な活動を図る(行事・レクレーション・園芸活動など)。
  • 利用者の身体・精神・環境を踏まえて他の従事者の意見も取り入れながら具体的な計画を作成。日々の変化やニーズも考慮し随時、通い・訪問・宿泊サービスを組み合わせた介護にする。
  • ケアマネージャーは計画作成に当たり内容を利用者または家族に説明し文書により同意を得る。小規模多機能型居宅介護計画を利用者に交付する。作成後も必要に応じて変更する。

 

介護等

  • 自立支援と日常生活の充実を目的とし適切な技術をもって行う。
  • 事業所は利用者に対し、利用者負担で居宅・サービス拠点にて事業所の従業者以外の者が介護を行ってはいけない。
  • 利用者の炊事や掃除・家事は、可能な限り利用者と従業者が共に行うように努める。

 

社会生活での援助

  • 日常生活を営む上で利用者自身または家族が必要な行政手続きなど出来ない時、同意を得て事業所が代わりに行う。
  • 事業所は常に家族と連絡を取り合い、連携を図ることで利用者と家族が交流の機会を持てるようにする。

 

緊急時対応

  • 従業者は介護提供時の利用者の急変があった場合、またはその他で必要な場合は速やかに主治医や関係医療機関へ連絡を取り必要な措置を行う。

 

運営規定

  • 事業者は小規模多機能型居宅介護事業所ごとに運営についての重要事項規定を定める。

→条例101条 予防条例58条アからコを確認しましょう。

 

定員

  • 登録定員・通い・宿泊サービスの定員を超えてサービスを行ってはいけない。

ただし通い・宿泊に関しては利用者の状態や希望に応じ特に必要と認められれば、一時的に超えるのはやむを得ない。

 

非常災害対策

  • 非常災害時の具体的計画を立て、通報の手順や連携など定期的に従業員に周知・訓練を行う。
  • 地域住民の参加が得られるように努める。

 

衛生管理等

  • 利用者の使用する食器やその他設備、使用する水は衛生的な管理を行う。
  • 食中毒が起きた際、まん延しないようにする。

→感染症・食中毒の予防とまん延防止の指針を整備し、従業員にも研修を定期的に実施

→市長が定める感染症、または食中毒発生が疑われる際の対処に従い対応

 

協力医療機関

  • 主治医との連携と急変時に備え、あらかじめ協力医療機関を必ず定める。

→介護老人福祉施設・介護老人保健施設・病院などと連携の体制を整える。
→協力歯科医療機関も定める。

 

調査への協力

  • 適切なサービスが行われているかどうか市町村が行う調査に協力する。また助言を受けた際は改善を行う。

 

地域との連携

  • 運営協議会を設置し、おおむね2か月に1回以上サービスの内容や回数などの活動を報告し評価してもらう。必要な要望や助言を受け付ける。事業者はこの流れ(報告、評価、要望、助言等)を記録し、公表する。

運営協議会・・利用者の家族、地域住民代表、事業所がある市区町村の職員か区域を管轄する地域包括支援センターの職員、小規模多機能型居宅介護について知見を有する者により構成

  • 事業所の運営に当たり、地域住民やその他協力を行う地域との交流を図る。
  • 事業所は利用者から苦情に関して市町村が援助を行う事業に、その他の市町村が実施する事業に協力するよう努める。

 

入居

  • 利用者が施設などへ入所の希望があった際、円滑に入所できるよう協力する

 

 

小規模多機能型居宅介護の運営基準違反について

運営基準違反とはその名の通り法律で定められた運営基準を違反することです。

 

運営基準のほかにここでは記載していませんが設備基準、人員基準など細かく法律で基準が決められています。その他の基準もしっかりとご自身で確認しておきましょう。

著しい違反や不正請求が露見すれば指定取り消しとなり介護報酬を請求できなくなります。

運営基準違反には気を付け違反しないことがベストですが、万が一違反が発覚した場合でも虚偽の報告や不正請求はあってはならないことです。

 

発覚するタイミングは実地指導や監査、内部告発などです。実地指導での情報や利用者、家族または地域住民などの苦情や情報がもとになることもあります。

また、虚偽のタイムカードや行っていないサービス記録などに耐えられなくなり内部の従業員が告発するケースもあるようです。

 

まとめ

小規模多機能型居宅介護zは、3つのサービス通い+訪問+宿泊を組み合わせその利用者が居宅において、日常生活を送るうえで支障がないよう家庭的な環境で援助します。

また、地域との交流を目的とし助言を受けることで、より質の高い介護サービスを目指します。

今回は運営基準を分かりやすく整理しましたがあくまでも参考です。法改定などで変わることもありますので、関係機関に尋ねるなど自主的に情報収集されることをおすすめします。

 

運営基準について、こちらからダウンロードできるPDFファイルがわかりやすくまとまっているのでご参考になるかと思います。ぜひご活用ください。

 

 

参考文献

横浜市 小規模多機能型居宅介護 運営の手引き